【FAIRDALEとTAJのお話】
FAIRDALE(フェアデール)は、2010年に設立されました。
BMX世界チャンピオンであるTAJ MIHELICH(タジ・ミヘリッチ)の小さなアイデアがその始まりでした。
TAJはトッププロライダーとして長くに渡り活動したあと、
彼の長年のスポンサーであるODYSSEY BMXと協力してFAIRDALEを立ち上げました。
ODYSSEYの30年以上にもなる製造とデザインの経験がブランドに生命を与え、
FAIRDALEは生まれたのです。
私たちは、初めて自転車に乗ったあの頃のような喜びを感じられる、”大人用”自転車づくりを目指しています。
FAIRDALEについての前記事はこちら→【http://ride2rock.jp/blog/134386/】
TAJとFAIRDALEのお話(by Taj Mihelich)
僕はいままで、たくさんの自転車に乗ってきました。
プロのBMXライダーとして、僕はハイレベルでのライディングをし、挑戦出来る限り自分を追い込んできました。
僕は、自分を世界中へ連れて行ってくれたこのシンプルなマシーン(BMX)に対して、
誠実な、そして深い愛情を抱くようになりました。
ジャンプしたり、ハードに乗ったり、とても満足でした。
僕は常に次の壁を探していて、いつも何か新しいものを生み出そうとしていました。
そのことが常に僕を包み込んでいて、僕の考えの全てでした。
あるとき道の途中で、僕は自転車をひろいました。買い物にいくためのカゴがついた、古い自転車です。
驚いたことに、その自転車にのって近所をゆっくりと走っている時、
僕はランプでエアーを決めた時とおなじ”ざわめき”を感じたのです。
この”ざわめき”が、自分のBMXのライディングを変えてくれ、僕をサイクリングの『核心』へと立ち返らせました。
二つの車輪でバランスをとるだけのシンプルな楽しさです。
それから急に、常に次のトリックについて追い求めるのではなく、
ただランプをカーブしたり、シンプルにダートジャンプのラインを流したりするだけを楽しめるようになりました。
スピード感と、そのバランスをただ楽しむ。ただそれだけなのです。
結局、表現の一種として言えば、BMXのライディングは”フィーリング”が全てです。
自分が正しいと感じるものを、自分の道しるべとするべきです。
あの古いカゴ付き自転車のおかげて、僕のライディングはより良くなり、そしてより楽しくなりました。
また、BMX以外のサイクリングに対しても考えを広げてくれました。
脊椎損傷によりプロライディングを断念せざるを得なくなった後、
僕は長年のスポンサーであるオデッセイ BMX で働き始めました。
設計事務所 であるテキサス州オースティンの OTX Designで働いて、ほとんどすべてのことは実現可能だと分かりました。
新しい製品がたくさん生み出される中で、自転車の製造についてのたくさんのことを学びました。
僕たちがFAIRDALEを始めるのに、それほど時間はかかりませんでした。
その始まりは、僕が生涯自転車に乗っていても、
自転車に対しての愛情がまったく色あせていない理由にについて考えたことからでした。
僕は、僕が自転車で素晴らしいと感じたことを他の人と分かち合う方法をずっと求めていました。
みんながただ乗るだけで、そのすばらしさを感じることが出来る自転車を生み出す道がきっとあると信じていました。
FAIRDALEにとってのゴールは、この”フィーリング”を他の人々に伝える手段となることです。
僕たちFAIRDALEは、自転車を難しいものにしすぎないよう、努力しています。
それは、人々が自転車に乗るのが好きだと感じたことを曇らせてしまう可能性があるからです。
自転車というシンプルなマシーンは、シンプルであるからこそ面白いのです。
もちろん、ライダーの経験が増えるにつれて、自転車に対して求めることが変わってくるはずです。
そのために、FAIRDALEは目的に応じた様々なモデルを用意しています。
それでも、FAIRDALEがデザインする全ての自転車は、
僕たちが愛する”核心のフィーリング”を引き出すこと、が基本となっています。
FAIRDALEの自転車で、僕と同じくらい自転車を楽しんでいただけることを心から願っています。―TAJ.