大地を尊重する : 痕跡を残さないバイクパッキングを実践する方法

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吹きさらしの平野から記念碑的な峠、緑豊かな森のシングルトラックまで、私たちは色々なところに走り出すのが大好きです。だからこそ、私たちはその場所を尊重することで、訪れた時と同じ(またはそれ以上に)状態にすることを気にかけています。

私たちは皆、ゴミや落書きが散らばったトレイルよりも、手付かずの自然の風景の中を走りたいと思っていますが、美しい場所を維持するためにはすべての人の努力が必要です。私たちは皆、どこに走りに行っても痕跡を残さないように努力すべきです。つまり、私たちの後にトレイルを利用する人々は、土の中のかすかなタイヤの跡を除いて、私たちがそこにいたことに気付かないように心掛けなければなりません。

痕跡を残さないことは、私たちの多くが認識している以上に進んでいます。幸いなことに、Bikepacking Rootsの友人のおかげで、サイクリスト用のガイドが公開されました。

Bikepacking Rootsは、「バイクパッキング、多様なバイクパッキングコミュニティの成長、そして私たちが走る風景や公有地へのアクセスと保全を支援し、前進させる」非営利団体です。彼らは、Leave No Trace Center for Outdoor Ethicsと提携して、Leave No Trace(LNT)の7つの原則をバイクパッキングに適応させました。LNTの原則はアウトドアの世界ではよく知られていますが、サイクリングに特化したガイダンスは含まれていません。バイクパッキングの成長に伴い、ライダーは道路やトレイルへの影響を最小限に抑えるための方向性を必要としていました。

Seven Leave No Trace Bikepacking Principlesは、バイクパッキングとキャンプに焦点を当てていますが、ライドのたびに実践する必要があります。

※モトクロスインターナショナル注(以降モトクロ注):これらはアメリカにおける自然保護の観点から自転車旅のあり方について語っています。日本との環境の違いはありますが、考え方を理解し、その考え方を私たちも取り入れていくと同時に、私たちもさらに考えを深め、日本に合う自然保護を実践していかなければならないと思っております。

1 事前に計画を立て、準備する

行く前に知っておいて、自転車が合法的なトレイルに乗ること、季節的な閉鎖、方向指定トレイル、公園や駐車場の許可や料金に注意してください。ウィルダネスエリアのトレイルでは、自転車の持ち込みは禁止されています。※モトクロ注:日本においても国立公園内など自転車の通行を禁止しているトレイルがあります。

自分がどこにいて、どこに向かっているのか、避難ルートが存在するかどうかを把握してください。ダウンロードしたGPSファイルを携帯するか、オフラインで使用するために地図を保存するか、紙の地図を携帯します(ナビゲーションが失敗した場合のバックアップナビゲーション手段を用意します)。一人で走る場合は、どこに向かっているのか誰かに伝えてください。※モトクロ注:日本の山登りでは、登山届(山域や行動計画などを記す)を提出して登山します。これは遭難時速やかな救助を可能にします。登山届がが無ければ捜索すべがありません。

予定外の事態に備えて計画してください! 修理用具、ライト、救急用品、十分な水、シェルター、レイヤーを携帯して、予期しない状況で暖かく乾燥した状態を保ちます。

雨天時や冬季・春季の際には、地元のトレイル組織や自転車店に現在のトレイルの状況を確認してください。ライディング中に雨が降った場合、トレイルの表面に何が起こるかを知ってください・・・一部のルートは雨で通行できなくなったり、ぬかるんだ路面はライディングによって損傷を受けます。

ルートを計画するときは、特に新しいバイクパッカーの場合(サイクリングの経験に関係なく)、何度か大幅に少ない走行距離で走行することを計画してください。これは少ない距離を走って経験を積んで欲しいという事です。

電動自転車に乗る場合は、そのトレイルが合法である場所を知ってください・・・電動自転車に閉鎖されたトレイルには乗らないでください。モーターを使用しないトレイルを走行する場合は、そうでないことを学ぶまで、電動自転車は禁止されていると想定してください。

ヘルメットを着用してください。それはあなたの命を救い、捜索救助の必要性を減らすことができます。

2 コース設定のある旅とキャンプ

サイクリングコースには、乾燥した確立されたトレイル、認定されたスリックロックエリア、未舗装/砂利道、舗装が含まれます。

地元の規制が許可しない限り、トレイルから外れての走行は避けてください。

シングルトラックの道幅はそのままの状態を保つよう配慮が必要です! 水、氷、泥に遭遇したときは、周りではなく、その中を走ったり歩いたりしてください。(泥の中は歩こう)

最高のキャンプは道具によって作られるのではなく、自然の中にいる自分を見つけるものです!

泥ではなく、土の上を走りましょう。泥のトレイルを避ける・・・タイヤが大きなくぼみを残したり深いわだちを作ったりすると、そのトレイルの自然が奪われます。

特にメンテナンスが最小限のバックカントリートレイルでは、慎重にブレーキをかけることで侵食を防ぎ、ターンの途中ではなく前に速度を落とし、横滑りを避けるために最善を尽くします。

他のユーザーのために人が多く集まる休憩地や風光明媚な場所では、自転車に乗るのではなく自転車を押して歩いてください。

キャンプ場の指定された場所以外ではテントを張らない努力が必要です。生きている植物の上や生きている(クリプトビオティック)土壌でキャンプをしないでください。

既存のサイトにテントを張る場合、できるだけ小さい面積にしそのダメージを小さいものにします。利用できない場合は、さらに最小限に抑えるようにしてください。

小川や湖などの水源から少なくとも200フィート(約60m))でキャンプをします。

あなたが乗っているルート全体の土地所有権を知ってください。キャンプは、それが許される場所でのみ行ってください。許可されていない場所や私有地でのステルスキャンプは、バイクパッキングに対して否定的な印象を与え、その場所のバイクパッキング排除につながる可能性があります。

3 廃棄物の適切な処理

すべての食品廃棄物、トイレットペーパー、衛生用品、包装紙を梱包し持ち帰ります。

トイレ設備が利用できない場合は、水源やトレイルから少なくとも200フィート(約60m)、深さ6〜8インチ(約15~20cm)の穴に排泄します。トイレットペーパーも一緒に埋めて穴を埋め戻します。※モトクロ注:携帯トイレの仕様も念頭に置く必要があります。

キャンプや水源から200フィート(約60m)離れ、他のトレイルユーザーの視界に入らない場所で排尿します。

犬の場合、排泄物を袋に入れて梱包します。あるいは、犬の排泄物をトレイルや水源から遠くに移動し、6〜8インチ(約15~20cm)の穴に埋めます。

トレイルのゴミが落ちていたならば、それを拾い持ち帰って欲しいと願います。

4 そこにあるものはそのまま残す

文化的または歴史的な建造物や工芸品を見ることはいいですが触ってはだめですよね。同じように岩、植物、その他の自然物を見つけたらそのままにしておきましょう。

外来種をうっかり運んでしまう事を避けるために、ライドの合間に自転車とギアを洗ってください。

許可されていないトレイルコースを走るようなコース設定はしないようにしてください。土地管理者やトレイル管理者と協力して、トレイルの管理と建設に取り組んでいただけたら嬉しいですね。

トレイルを優しく走ってください。

5 キャンプファイヤーの影響を最小限に抑える

大きなキャンプファイヤーは、環境に長期的な影響を与える可能性があります。代わりに、軽量のストーブやキャンドルを使用してください。

火をおこす場合は焚火台を使用し、火を小さく保ち、手首サイズ以下の落ちた枝などを燃料にしてください。

すべての焚火が灰になるまで火事に注意し、触れるほど冷えていることを確認して灰を処分してください。

現在の火気禁止の状況:火気禁止期間中は、アルコールストーブの持ち込みは禁止されています。一部の火気禁止令では、キャンプ用ストーブを含むあらゆる種類の直火が禁止されます。※モトクロ注:日本のキャンプ場においても火器扱いについて注意事項を遵守しましょう。

6 野生動物が野生であることを尊重する

遠くから野生生物を観察します。彼らを追いかけたり、近づいたりしないでください。

家畜の邪魔をしないでください。牛に近づくことは多くの牧場地域で違法です。

動物に餌を与えないでください。それは彼らの健康に影響を及ぼし、自然な行動を変え、彼らが天敵に対しての警戒が薄れることになります。すべての食品廃棄物とスクラップを梱包してください!

ペットは常にそばにいるようにし、それが出来なければ家に置いておきます。

敏感な時期 : 交尾/営巣期、冬、夕暮れ、夜明けには野生生物を避けてください。

クマの生息地では注意を払い、クマスプレーの携帯を検討してください。一人旅は避け、予期せぬ遭遇を防ぐために音を立てて自分の存在を知らせるのも一つの手です。

野生生物との遭遇を防ぐために、食品は適切に保管してください。クマ用のキャニスターは強く推奨されており、吊り下げバッグよりもはるかに問題が発生しにくくなります。

周囲に注意を払い、警戒を怠らず、ヘッドフォンの使用を避け、トレイルから目を離さないでください

7 他の訪問者に配慮する

常にコントロールを意識し、道路交通法の制限内で乗ります。

サイクリストはハイカーや馬に譲ります。狭い道では対向車に対して停止および降車します。

通行の際は、声やベルで存在を告げ通行をお願いしましょう。あなたのグループに他に何人のサイクリストがいるか、またはあなたが一人でいるかどうかを共有してください。

騎手と話し指示を求めてください。話したりアイコンタクトを取ったりすると、馬がリラックスできます。下り坂側になったら彼らを追い越してかまいません。

ダウンヒルサイクリストはヒルクライムサイクリストに道を譲ります。安全に下山し、視界の悪い場所での走行には注意してください。

リードで犬をコントロールし、リードを外すことを許可されている場合は、別の犬が近くにいても行儀が良いことを確認してください。

適度な人数のグループで騒音を減らし、ほこりを抑えるために速度を調整してください。

他のライダーの追い越しを容認し速度を落としてください。

大音量の音楽は避け、周囲の音が聞こえるようにしましょう。

休憩のためにバイクを降りたり、機材トラブルの修理でトレイルを塞がないようにし、他の旅行者が簡単に通過できるようにしましょう。

フレンドリーに! バイクパッキングについて他のライダーや土地管理者と話し、現状の環境を維持しましょう。

Leave No Traceを超えてみませんか? Bikepacking Rootsには、ポジティブインパクトのあるバイクパッキングのガイドもあります。このガイドは、土地への影響を最小限に抑えるだけでなく、私たちが通過するコミュニティを改善し、バイクパッカーに対する肯定的な評判を築くことを目指しています。こちらの(英語)ガイドをお読みください。

 

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この記事を担当したのはMotocross International Ltd.です。

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